Yahoo!検索Project、システム運用技術担当の草薙です。
Yahoo!検索では、国内外に設置された大量のサーバとその上で動作する多数のシステムが、リアルタイムに連携してすばやく動作している必要があります。国内最大の検索トラフィックを扱っていることもあり、当然ながらサーバはしょっちゅう壊れますし、一部のネットワークが不調になることもあります。お客様に見える形で問題が表れることはまれですが、24時間365日、常に動作状況を監視して、問題があればスタッフ一丸となって対応しています。
今年を総括する意味で、2007年に起こった中で最も印象に残った事件について紹介させていただきます。
2007年9月6日、20時20分を少し回った頃に、技術スタッフの携帯に監視システムから異常を示すメールが届きました。
「アクセス数が先週の同じ時刻と比べて多すぎる」という内容でした。
状況を確認してみると、確かにPC版のウェブ検索のご利用回数が、突然普段より1秒あたり何百回も増えていました。

モバイル検索では普段の3倍にもなっていることがわかりました。

このような事があった場合、経験上最も考えられるのは外部からの攻撃です。攻撃の証拠とアクセス元を調べるために、もう人がまばらになりつつあるオフィスでスクランブル体制で調査に入りました。
しかし、特定のアクセス元から攻撃されているようではなく、まんべんなく大量のアクセスが続いていました。そして、皆さんごく普通に検索し、表示された結果をクリックされているようでした。
検索結果をお客様がクリックされた回数(緑のグラフ)を先週の同じ時間(青のグラフ)と比べてみたのが次のグラフです。検索回数が増えたのにほぼ比例して増えているのがわかります。

結局その場では何が原因かは特定できず、ご利用状況が通常に戻るのを待って一旦解散しました。
翌日、あらためて詳細を調べてみると、その時間に爆発的に増えていた検索ワードがありました。今年大流行した「脳内メーカー」です。
「脳内メーカー」というワードでの1日の検索回数の流れを見てみると、20時頃から22時にかけて非常に増えていました。

この増加分が、ちょうどアクセス量の差に一致したので、事件の正体が分かりました。
「Yahoo!ブログ検索」で、その日に書かれた「脳内メーカー」についてのブログを調べてみたところ、20時20分頃、音楽番組「うたばん」に出演されていた宇多田ヒカルさんが「脳内メーカー」の結果を使って SMAP 中居さんにいじられ始めた瞬間に事件が起きたようです。
攻撃ではなくて安心するとともに、マスメディアの力はすさまじいものだと実感した一日でした。
