「続きはウェブで!」の最強キーワードを探せ! その1

CMの最後に一瞬映る検索ボックスとキーワード。「続きはウェブで!」ということもあれば、「カチッ」というクリック音だけの場合などいろいろなパターンがありますが、いまではすっかりおなじみとなった感のあるこの手法。
今日はその秘密の扉を開けてしまいます。

昔々、ある会社がCMの最後にカタカナのキーワードを出しました。画面の隅に表示された検索ボックスのなかにはキーワードが書かれ、検索のボタンをクリックするアニメーションが付くという、非常にオーソドックスなものでした。テレビCMを見たユーザーはこのキーワードで検索してサイトにやってくる......そう考えるのは当然です。しかし、事態は予想だにしない方向へ進んだのです。


キーワード検索数比較グラフ


上のグラフ、3つの線が見えると思います。なんのグラフかといいますと、上記で取り上げたCMが紹介した「キーワード」とそれ以外の「ゆらぎキーワード」(本家キーワードに対してカタカナとひらがなが異なったり、半角空きの有り無しなど)の検索数を比較したグラフです。

さて問題。テレビで表示した正しい本家「キーワード」を表すグラフの線はいったいどれでしょうか

ここまで引っ張るとおおかたの予想は同じだと思いますが、そう正解は(1)番! ......では、ありません。
なんと、本当の正解は、あまりに検索数が少なすぎてグラフで表示することができない、というものでした。CMでキーワードを表示したにもかかわらず、なぜかそのキーワードでちゃんと検索してくれない......。そこには、CMからの誘導でやってはいけない、いくつものタブーを同時に犯してしまった不運があったのです......。

こんにちは、検索ランキングのイケミーです。

少しおどろおどろしい出だしではじまりましたが、今回のはみ出し分析コラム、「あのCMの定番手法って本当に検索に結びついているの?」というところに切り込んでみたいと思います。なお、今回の記事、残念ながら検索ワードのほとんどを公開することが出来ません。伏字だらけの記事になりますが、なにとぞご了承ください。

さて、あなたがCMを作ることになったと想像してみてください。「Yahoo!で映画が見放題!」というサービスをプロモーションするという設定です。ウェブサイトに人を呼び込むためのキーワードを考えなければなりません。ここはおなじみCMの最後に検索キーワードを表示するという手法をとりたいと思います。さて、どういうキーワードを設定すればよいのでしょうか。

まず思いつくのが「Yahoo!で無料映画」などでしょう。


キーワード例「Yahoo!で無料映画」


しかし、残念ながらこれはあまりおすすめできません。

おススメできない理由
ワードが長い

「たかだか8文字や10文字でワードが長い!?」なんて思うかもしれませんが、これが結構検索においては重要な点になります。ワードが長いことで発生してしまうデメリットですが、一番大きなものが検索間違いが増えるということでしょう。特に「○○の●●」や「○○で●●」といったような短文になっている場合は、特に顕著にそのような例が見られます。
「Yahoo!で無料映画」で例えてみると、ありがちな間違い検索例として、

「Yahoo! 無料映画」
「Yahoo! 無料 映画」
「Yahoo!の無料映画」
「Yahoo!無料映画」
「ヤフーの無料映画」
「ヤフーで無料映画」
......

などがあげられます。特に、「の」や「で」などの助詞を半角空きや別の助詞に置き換えたり、英語をカタカナに置き換えるなどは頻出しがちな誤検索です。これらは基本的にキーワードが長くなればなるほどそのバリエーションが増える傾向にあるようです。ただ、キーワードにちょっと一工夫してあげるだけで奇麗に誘導(誤検索を防ぐ)できるようです。そのお話は後半で。

では、次にちょっとキーワードをかっこよくして、「ムリョウムービー」にしてみました。これはOKでしょうか?


キーワード例「ムリョウムービー」


残念ながらこれもあまりおススメできません

おススメできない理由
キーボード入力で変換候補一番目に出ない言葉を使用している

「宇宙」を「ウチュウ」と書いたり、「北海道」を「ほっかい道」のように表記することはおススメできません。というもの、ユーザーはCM画面を見ながらキーワードを打ち込んでいるわけではないということです。上記の例で言うと「ムリョウ」の部分がそれにあたります。このキーワードで露出しても、普通の人なら変換一発目に出る「無料ムービー」と検索してしまう傾向にあるようです。
さらに「北海道」を「ほっかい道」のように、1つの単語を分解して変換キーを駆使しなければキーワードを正しく打ち込めない場合には、さらにその傾向が強まります。

実際の例で見てみましょう。あるB社がCMの最後にキーワード「●●」と表示しました。しかしそのキーワードは「ウチュウ」のように一発変換できないものでした。その結果......


キーワード検索数比較グラフ


なんとCMで表示したキーワードよりも、普通に打ち込んで変換候補一発目に表示されるワードのほうが検索数が多い結果になってしまったのです。
もうひとつ似たような実際の例を。こちらはさらに「物語」を「物がたり」のように、一単語のキーワードを分解してしまったパターンです。


キーワード検索数比較グラフ


こちらの場合はCMで誘導したキーワードより誤変換のほうが場所によっては3倍以上多くなっていました。このように、あえて変換しにくいキーワードを用いることで、正しくユーザーを誘導できない事態が発生してしまうことがあるのです。またここからわかる重要なポイントとして、多くのユーザーはキーワードを音で覚えているということでしょうか。そのため、目で見た配列を再現しようとするのではなく、音からもっとも近くて一般的な言葉をつい入力してしまうのかもしれません。これもテレビCMならではの問題によるものだと思われますが、これも詳細は後半で。
つまりここで言いたいことは、検索してもらいたいキーワードを考える際は、キーボードの変換の事までを先読みして考えましょう、ということですね。

ではでは、キーワードをもっと平凡にして「無料 映画」にしてみました。


キーワード例「無料 映画」


これはさすがにOK......といいたいところですが、これもおススメできません。

おススメできない理由
半角空きがある

キーワードとキーワードの間に半角を開けて検索する......日ごろから検索を使いこなしている人にはまったく違和感のない配置ですが、これが検索誘導となると、なかなかうまくいかないようです。こちらも実例で、あるC社がCMで使用したキーワード「○○ ●●」。これと、半角空きを詰めた「○○●●」の検索数ログを比較してみると、


キーワード検索数比較グラフ


さすがに本家キーワードを抜くことはありませんでしたが、それでも2/3ほどの検索数が半角空きのないつなげたワードでの検索になっています。サンプルの例でいえば「無料 映画」と誘導したいのに、多くの人が「無料映画」の検索に流れてしまうということがわかります。また、これの応用で、元が英語だから半角を開けてしまうパターンがあります。たとえば「アイ ラブ ユー」というキーワードを設定してしまうようなパターンですね。この場合、十中八九、ユーザーは「アイラブユー」と検索する傾向にあるようです(根拠が経験則によるもので申し訳ありません)。さらに、場合によっては「I love you」のほうが多いことも十分にありえます。このように、半角空きの使用は場合によってユーザーが検索する際の混乱を招く可能性があるのです。ただし中には半角空きを用いてうまく誘導できてるパターンもあります。使いどころが大事というわけですね(具体的には、半角空きを詰めてしまうと言葉として不自然になる場合は半角空きのキーワードも有効になる、など)。

ならば、「タダ動.com」はどうでしょうか。いかにもネットっぽい......(続きはウェブで!もとい、次号)

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